視聴者はプロに手際の良さを堪能できる。画像はイメージ(GettyImages)

調理師を目指す若者も視聴

 タンタンメン金家はフランチャイズチェーン(FC)も展開している。片倉本店のほか、神奈川県内に5店舗、埼玉県内に1店舗、新潟県内に1店舗、計8店舗を構える。

「中華料理の調理師を目指す若い人たちも、私たちの厨房動画を見てくれているそうです。4月にはベトナムのダナンにもFC店を出します。飲食店の経営に興味を持っている人にも動画を見てもらうことで、私たちのFC加盟に応募するかどうかの参考にしてもらうこともできればうれしいなと思っています」(同)

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「厨房動画が生まれるきっかけは、コロナ禍の影響ではないか」と指摘する。

「料理に関する動画といえば長年、レシピ動画が主流でしたが、この状況に変化をもたらしたのがコロナ禍でした。自由に外食ができなくなり、自宅で料理を作る頻度が劇的に増えました。飲食店も営業がままならないことから、『プロの技術を家庭用にアレンジした料理法を教える』という動画が人気になりました。この結果、『プロの調理技術』を動画で見るという面白さに視聴者が気づいたのです」

 井上氏によると、厨房動画を見る時、視聴者は矛盾した2つの興味、関心を持つという。一つは「自分たちには不可能なプロの技を見たい」という興味、もうひとつは「自分が料理を作る時の参考にしたい」という関心だ。

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プロの技を堪能しつつ「自分でも試したい」