克服したい出かける前のあたふた(イラスト:サヲリブラウン)
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 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 大人なら当たり前にできるでしょう? と言われそうなことで、私には非常に困難なことがあります。私は予定を予定通りに終わらせるのが非常に苦手です。たいてい間に合いません。締め切りのある仕事をしているなんて、本当は危険な行為なのです。

 最近、週末のうちに片づけなければならない用事が重なったことがありました。洗濯、掃除、ごみ捨てなど通常の週末作業に加え、整体や歯医者などのボディーメンテナンス、仕事で使う服のショッピング、親のケアなど、土日で一気にやらないと間に合わないことばかり。そういうとき、私は何故か燃える。すべてをつつがなく終えた達成感を過去に味わったことがあるからでしょう。普段失敗するからこそ、達成したときの喜びはひとしおです。

 こんなとき、以前はTO DOリストを作成し、終わったら消し込む方法を採っていました。うまく行くときもあれば、どうにも時間が足りなくなることもありました。

 次に試したのが、それぞれの作業にかかるおおよその時間を考え、やる順番と時間配分を1日のスケジュールに落とし込む方法。多くの大人はそれで成功するのだと思います。私は違いましたが。

 作業にかかる時間を読み誤る、己の処理能力を過信しタスクを詰め込みすぎるなど失敗を経て、私が陥りがちな最大の窮地は「気づけばボーッとして時間が経っている」だとわかりました。アホすぎる。

 そこで私が編み出したのが、アラームを30分おきに鳴らす方法。ひとコマ30分と考え、この作業は2コマ、この作業は3コマと振り分けていきます。2コマ分の作業なら、最初のアラームが鳴るころには半分が終了していなければならない。終わってなければ、残りの30分で巻き返す。自宅作業はだいたいこれで処理できるようになりました。ものすごい達成感!

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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