山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
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日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「日焼け対策とビタミンD欠乏症の関連性」について、鉄医会ナビタスクリニック内科医・NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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 「ビタミンDのサプリメント、あなたも飲んだ方がいいかもしれないよ」

 日本にいる親友と、久しぶりにテレビ電話をした時のことです。近況を話し合っていたら、サプリメントの話になり、こんな思いがけないことを言われたのです。

 亜鉛欠乏による症状が再発し、亜鉛のサプリメントを日々飲んでいる私にとって、これ以上サプリメントを飲むのは勘弁してほしいと思っていた矢先のことだったので、「なんで、飲んだほうがいいの?」と思った私は、彼女に詳しいことを聞くことにしました。 

 どうやら、数カ月前、ビタミンDを含むいろんな項目を血液検査することになったという彼女。予想外にも、ビタミンDの値が基準値を大幅に下回っていることが判明し、ビタミンDのサプリメントを飲み始めたというではありませんか。

 ビタミンDとは、カルシウムの吸収促進、骨の成長促進、血中カルシウム濃度を調節する重要な役割のある栄養素であり、私たちが健康な骨を維持するためには欠かせない、脂溶性のビタミンです。しかし、ビタミンDが不足してしまうと、骨は細く脆くなり、結果として、骨折のリスクが高くなり、骨粗鬆症を引き起こしてしまいます。

しいたけ、鮭、卵などから

 通常、ビタミンは私たちの体内では生成することができないため、食品などから摂取する必要があります。ビタミンDの場合、野菜や穀物、豆や芋類にはほとんど含まれておらず、魚類やきのこ類に多く含まれており、しいたけなどのきのこ類に含まれるビタミンD2(植物由来)と、鮭などの魚類や卵などに含まれるビタミンD3(動物由来)があります。

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山本佳奈

山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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