吉田氏に、ディナーショーや小倉容疑者について聞いてみた。
「実はショーの1カ月くらい前、東京・銀座4丁目の喫茶店で小倉容疑者と会い、『紀州のドンファンを紹介して』と頼まれたんです。ドンファンは金持ちですからね」
吉田氏は「紀州のドンファン」こと野崎氏を長く取材し、多くの記事を執筆してきた。
ドンファンの会社に連絡していた?
「紀州のドン・ファン殺害 「真犯人」の正体 ゴーストライターが見た全真相 」(講談社+α文庫)などの著書があり、野崎氏とは親しい関係にあった。その野崎氏は和歌山県田辺市の自宅で2018年5月、急性覚醒剤中毒で不審死を遂げ、殺人事件として立件された。
野崎氏が生前の2016年12月に発売された「紀州のドン・ファン 美女4000人に30憶円を貢いだ男」(講談社+α文庫)は、「美人と付き合いたい」と願い続けて大金持ちに成り上がった実業家、野崎氏の自伝だ。
「ドンファンの本が出て、全国からファンレターや電話が、当時の野崎氏の会社に来ていたんです。小倉容疑者もその一人だった。会社から『吉田さんに連絡を取ってみたら』と言われたそうで、私と会うことになったんです」(吉田氏)
彼女は、金銭面で工面してもらう目的で、野崎さんに近づこうとしたのだろうか。
今回の事件の一連の報道では、 産経新聞などが、小倉容疑者は退団後、金銭をめぐるトラブルが絶えなかった、と報じている。佐川急便グループの元会長を頼り、佐川急便側から提供された1億3千万円を巡って訴訟になったり、今回の事件の被害者とは別の女性からも1千万円以上を詐取した疑いがあったりと、金銭にまつわる話は多くあったようだ。
こうした点について吉田氏は、こう話す。
「ドンファンと会って、カネの相談ができるか考えようとしていたんじゃないのかな。ドンファンは女性に弱いからね」