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 知人の女性から約1千万円をだまし取ったとして詐欺の疑いで警視庁に逮捕された、元宝塚トップスターの小倉輝美容疑者(78/東京都港区)。映画製作の名目だったが、実際は生活費やディナーショーを開くための費用に充てていたといい、カネに困っていた状況があったようだ。過去に小倉容疑者から、「紀州のドンファン」こと資産家の野崎幸助氏(故人)を紹介してほしいと頼まれたというジャーナリストから話を聞いた。

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 小倉容疑者は、1963年に宝塚歌劇団に入団。月組男役で「大滝子」の芸名で活動し、「ベルサイユのバラ」ではマリー・アントワネットの恋人、フェルゼン役を演じるなどトップスターとして活躍した。76年に退団した後もディナーショーを開くなど、最近までも 「光原エミカ」の芸名で活動していたという(本人ホームページなどから)。

 被害にあった女性は、約30年前にイベントで知り合い、小倉容疑者のファンでもあったという。2019年4月ごろ、小倉容疑者は「映画製作の費用が必要」「田園調布の一戸建ての家を売って返すから金を貸してほしい」などと持ちかけたが、家はすでに売却されており、映画製作の痕跡もなかった。小倉容疑者は「お金は返すつもりだった」と供述しているという。

ディナーショーのメインディッシュはステーキ

 筆者は、2017年5月に東京・お台場のホテルで開かれた小倉容疑者のディナーショーに行ったことがある。客は100人弱くらいで、テーブルはほぼ満席。食事のメインディッシュはステーキだった。小倉容疑者は、宝塚を彷彿させるような派手な衣装で4~5曲歌った。ショーが終わり、少し会話をする機会があったが、にこやかな表情で、とても愛想のいい女性、という印象だった。

「チケットは2万円くらいだったから、利益はほとんど出ていないんだろうね」

 そう話すのは当時、筆者をディナーショーに誘ってくれたジャーナリストの吉田隆氏だ。吉田氏は、写真週刊誌の専属記者として活躍し、事件、政治、芸能と幅広く取材している。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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銀座4丁目の喫茶店で小倉容疑者と会い