高島崚輔さん(たかしま・りょうすけ)/1997年生まれ、大阪府出身。2023年4月の兵庫県芦屋市長選に当選し、全国最年少市長に。ハーバード大学時代、休学したことで今自分がいる場所を客観視できた、と振り返る(撮影/写真映像部・上田泰世)
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 様々なトライ&エラーを試みる実践の場である大学。学生時代の取り組みが今に生きているハーバード大学卒の芦屋市長・高島崚輔さんに話を聞いた。AERA 2024年6月3日号より。

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──灘高から、東京大学と米ハーバード大学に合格。2015年4月から東京大学に4カ月通った後、ハーバード大学へ進んだ。

 アメリカの大学に行くという進路の存在を知ったのは、高校2年生の1月です。高校の先輩に勧められ、翌月にはハーバード大学を訪問しました。楽しそうに勉強し、今自分が挑戦していることを熱く語ってくれる学生に出会い、こんな環境で学べたら楽しいだろうと思いました。

──ハーバードでは、興味のあることにチャレンジしていった。

 あえてかっこいい言い方をすると、「学びを自分でデザインする」です。ハーバード大学では「必修」がなく、大学院を含めて1千ほどある授業の中から好きな授業を選んで受講します。4年間、自分はそれぞれの学期後にどうなっていたいのか、将来どういうことをやりたいか考えながら授業を組んでいきました。

 そこには「通底」したテーマがありました。どうすれば日本のプレゼンス(存在感)を高められるのか、ということです。ハーバードの学生と話しても、残念ながらみんなあまり日本に興味がありません。「アニメも面白いから、1回ぐらい行ってみようか」。そうした関心はあっても、日本と仕事がしたいと思わない。アジアだったら中国かインド、韓国でした。日本のために仕事がしたいと考え、それには教育と環境エネルギーの分野が大事だと思ったんです。

──ハーバード大学には7年間在籍し、その間3度、休学をした。

 7年間で下した、「最高の決断」は休学でした。エネルギー工学を学んでいましたが、大学での学びがどのように実社会と繋がるか実感できなくて。そこで2年生の終わりの夏に休学してオランダ、ドイツ、デンマーク、アイスランドと世界各地の再生可能エネルギーを含めた街づくりの現場を見て回りました。そこでどういう社会をつくりたいか真剣に考えている人たちと出会い、市民が果たす役割ってすごく大きいと感じました。大学に4年間在籍していただけでは、ともすれば頭でっかちになっていたかもしれません。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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