写真はイメージ(GettyImages)

「就活の早期化」も影響か

 新社会人の“早期退職”は年々早まっているようにも思えるが、入社して1カ月以内に辞めてしまう現象を専門家はどう見ているのか。働き方評論家で千葉商科大准教授の常見陽平氏は「大学生の就活の早期化に関係がある」と指摘する。

 「現代の大学生は、昔に比べて就職に関しての意識が高い傾向にあります。インターンシップ(就業体験)などを大学1~3年生から始め、企業に選ばれているという意識だけでなく、企業に対する研究意識も早くから持ち始めます。じっくりと時間をかけて、自分の将来と向きあったうえで会社や業界を決めたはずなのに、いざ入ってみると全然違う……その理想と現実とのギャップが大きくなってしまっていることが要因のひとつでしょう」

 そして、常見氏は「会社側ももっと学生を観察したほうがいい」と話す。

 「人事も含めた、会社側の人間が“現代の学生像”をもっと知ることが大切です。今年の新入社員は、コロナ禍で大学生活を送っていた人も多く、飲み会などの文化も浸透していない。サークルなどのコミュニケーションも制限がかけられた状態だったことも念頭に置いて、新入社員と接する必要があると思います」

 「今の若者は……」と眉をひそめる前に、新社会人がどんな思いで会社に入り、どんな思いで辞めていくのかに思いをはせることも、年長者の責務だろう。

(AERA dot.編集部・小山歩)

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