cisさんはスリムな好青年だった(撮影/朝日新聞出版写真映像部・上田泰世)

(cis)昔は年末の大納会に東証へ行くと蕎麦がもらえたらしくて、自分の周りでも行く人がいましたが。12月30日でしょ。冬で寒いじゃない。わざわざ蕎麦もらいに寒さこらえて行くのか、って(笑)。

テスタ)行ってみようと思ったことはなかったんですか? 1回ぐらい東証を見てみたいとか……。

(cis)ないですね。(サクッ)

(テスタ)まあ、僕も用事がないから来なかった(笑)。来るところというより、取引でお世話になっているところだという目で見ていただけ。

板は目視で反応できた

(cis)最近は、マイクロ秒とかナノ秒で自動的にバンバン注文が出るじゃない。アルゴリズムトレード(コンピューターシステムが数量やタイミングを決めて自動的に注文を繰り返す高速取引)で動いてるんで、東証の近くのどんな証券会社がそのアルゴのシステムを作っているのか、見に行きたいと思ったことはありますよ。

(テスタ)やっぱり、ナノ秒とかになってくると東証に近ければ近いほど約定(やくじょう)しやすいって理屈になるんでしょうかね。距離がモノをいう感じで。

(cis)そうです。

(テスタ)毎日取引していると、コンピューターの高速売買みたいなのって気になりますか? 昔は今より遅かったし。

(cis)めちゃくちゃ気になる。前は呼び値や板の更新時間を見ていれば楽勝で反応できるぐらいの速度でした。あれ、4秒に1回くらいだったんですかね。

(編集部)2010年にアローヘッドという高速売買システムが導入されました。それ以前は、正確に言うと「2秒に1回更新」という時代がありました。

(cis)2秒だったか。そのときから比べると様変わりしてしまって。パソコンの前に張り付いているから勝ちやすいってことはなくなった気がしますね。今はリスク管理のために決済注文だけはセットしつつ、モニターで取引状況を見てるみたいな感じですね。

【cisさん5年で50億円編】

(編集部)cisさんは元手いくらぐらいで株をはじめたんですか?

(cis)最初に入れたのは300万円ぐらいでした。昼間働いて、残業もして、もらえる給料は手取り20万円ちょっとだったかな。当時は実家暮らしだったので5万円を家に入れて、残りは全部(証券口座に)入金してました。

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1200万円が5年で50億