東大安田講堂(撮影:写真映像部・馬場岳人)
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 2024年度になり、大学の高校別合格者数もほぼ出揃った。中でも多くの注目を集める、東大の科類別の合格者の様相はどうだろうか。今回のランキングでは、理科Ⅱ類の高校別合格者数で並べた。

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 理科Ⅱ類は、生命科学系の学問領域を中心に扱う科類で、学部では生命科学系の理学部、農学部、工学部に主に進学する。また、合格者約550人の中から、毎年8人に医学部医学科の進学枠を持つ科類でもある。

 科類別に見ると、どういう傾向が浮かび上がるのか。なお、東大の推薦入試は科類ではなく学部別で合格者を出しているため、本ランキングは一般入試の合格者のみを対象とした。

東大理科Ⅱ類合格者高校ランキング 1位~9位

 1位は開成(東京)の17人、2位が日比谷(東京)の15人、3位が浦和・県立(埼玉)の13人と続いた。ここまで首都圏の高校が3校続いている。4位は桜蔭(東京)の12人、5位は麻布(東京)、横浜翠嵐(神奈川)、西大和学園(奈良)の11人。8位は筑波大附駒場(東京)の10人、9位が渋谷教育学園幕張(千葉)の9人となった。10位は灘(兵庫)など6校が8人で並んだ。

 理科Ⅰ類の結果と比べると、5位の西大和学園、10位の灘以外は全て一都三県の学校が並んだ。三大都市圏の名門校が並んだ理科Ⅰ類とは対照的だともいえる。また、2位の日比谷、3位の浦和・県立、5位の横浜翠嵐と、東京、埼玉、神奈川を代表する公立進学校の顔ぶれも入った。これも私立の中高一貫校が並んだ理科Ⅰ類とは対照的な結果だ。

 理科Ⅰ類と比べ、女子のいる共学や、女子校も偏りなく入っているのも特徴だ。上位9校のうち、中高一貫の男子校なのは、開成、麻布、筑波大附駒場の3校だけにとどまる。ここでも、上位10校のうち8校を男子校が占めた理科Ⅰ類の結果と対照的となった。

 AIをはじめとする情報工学が近年注目され、難化が進む理科Ⅰ類に比べると、理科Ⅱ類は東大の中でも入りやすい科類と言える。一律に比較はできないが、今年の入試の東大の合格最低点を見ても、理科Ⅰ類の326.2点に対し、理科Ⅱ類は314.1点と、10点以上も低い。国立大学医学部などの超難関は合格者上位を私立中高一貫校が占める一方で、東大理科Ⅱ類は公立進学校でも狙いやすい科類と言えるのかもしれない。

(ライター・河嶌太郎)

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