人間味のある芝居が魅力の岡部たかし

23歳になる息子も俳優の道へ

 最近では「情熱大陸」(4月28日放送)で密着取材を受けていた岡部。カメラの前で何度も口にしていたのが「おもろい」か「おもろくないか」で、この感覚を大事にしているようだ。「人間は複雑で滑稽」という言葉が、彼の芝居をするうえでのぶれない軸にあり、それが人を魅了する演技につながっていることは間違いないだろう。

「『情熱大陸』では岡部さんの素顔を見た視聴者からは『色気がある』『イケオジ』などの声もあがっていて、演技とはまた違った顔が明らかになりました。岡部さんには23歳になる息子さんがいるのですが、その息子さんも俳優になっていて同番組にも出演していました。息子さんが6歳の頃、妻とは一度離婚しているので『父と息子というより、先輩と後輩みたいな感じ』と雑誌のインタビューに明かしていたこともありました。密着映像では、芝居談議に花を咲かせる様子も流れましたが、まさに親子というより同僚という感じでした。息子を猛プッシュする感じでもなかったところも好感が持てました」(前出の編集者)

 エンターテイメントジャーナリストの中村裕一氏は、岡部の魅力をこう分析する。

「出世作である『エルピス』での演技も素晴らしかったですが、個人的には同じ年の夏に放送された『あなたのブツが、ここに』が印象深いですね。主演の仁村紗和演じるシングルマザーが働く運送会社の社長役で出演し、エンディングで主題歌であるウルフルズの『バカサバイバー』に合わせて出演者がダンスを踊るのですが、若干、周りとワンテンポずれていたように見えたのがとてもチャーミングでした。人間の持つ矛盾というか、柔らかさと硬さを兼ね備えた、幅の広い芝居に対応することができる俳優だと思います。『情熱大陸』でも紹介されていましたが、7年続けているヨガで培った柔軟性が彼の演技はもちろん、俳優としての魅力を支えているのではないでしょうか。善良な市民から狂気を秘めた役まで、彼ならどんな役でもしなやかに演じてくれると思います」

 今年だけで4本のドラマに出演。今後も「おもろく」て、裏切りのある演技をしてくれそうで楽しみだ。

(高梨歩)

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