同名の人気サッカー漫画が原作のTVアニメ『ブルーロック』。シリーズ初の映画作品『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』の主人公、凪 誠士郎を演じる島﨑信長さんの声優としてのキャリアは約15年。転機になった作品は、初めて主人公を演じた「あの夏で待ってる」(2012年)だという。
【写真】「素直にワクワクするし、うれしい」と真っすぐ語る島﨑さん
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新人ならではの「エゴ」あった
島﨑 主人公を演じるまでは、自分自身、「爪痕を残さなければ」とか、「インパクトを与えなければ」とか、新人ならではのエゴがありました。
でも、いざ「あの夏で待ってる」で主人公の霧島海人を演じることになって、スタッフさんと話す機会も増え、作品のファンの皆さんと関わる機会も増えると、ひとつの作品にどれだけの人が関わり、どんな思いで向き合っているかを知るようになって、視野が広がりました。
全員で協力して作品を良くしようという気持ちが増しましたし、背負うものができたという感覚がありました。
綺麗に整えて告白したら
「あの夏で待ってる」は、ハッとさせられることも多かったです。海人がずっと好きだった先輩に告白するシーンがあるんですが、僕は下心を出してというか、ちょっとイイ感じに、綺麗に整えて告白したんです。ですが、「そのアプローチは違う」と指摘されました。
霧島海人は、いわゆる冴えないキャラクター。訥々としててよくて、その場の勢いで告白してしまったと伝わる、思わず出てしまったような告白が正しかったんです。「リアリティーのないカッコつけ方をしてしまった」と反省しました。
どんな作品にも、その作品のリアルがあります。演技はその世界を「本物」に見せる仕事。まずその世界のリアルを突き詰めていくことが大切なんだと気づきました。
──これまで多くのキャラクターと出会ってきた。新しいキャラクターを演じる時の感覚を聞いた。