高校生の愛子さまがリポートで論じたのは、『枕草子』に登場する犬の「翁丸(おきなまろ)」と『栄花物語』の長徳(ちょうとく)の変を結びつけた考察であったという。
宮中を追い出された「翁丸」は、長徳の変によって左遷された藤原伊周のことを暗示しているという説があり、愛子さまのリポートはこれに基づく内容だったのではないか、と星さんは推察する。
愛子さまの古典への造詣が深いのは、高校生の頃から長い時間をかけて学んで来たからではないか、と星さんは話す。
「光源氏展」は、愛子さまが来館した翌日の12日で終了した。最終日には、愛子さまが視察するニュースを見て来た、という来館者であふれたという。
見逃した人にも朗報がある。公文書館では、誰でも簡単な手続きをすれば、所蔵する資料を、実際に手に取って閲覧することが可能だ。「光源氏展」で展示された資料も同様だ。
「次の機会では、愛子さまにも、『窺原抄』をはじめ、当館のたくさんの資料をじかに手で触れてご覧になっていただきたい」(星さん)
来館が難しい人は、デジタルアーカイブから資料を見ることもできる。NHK大河ドラマのこれからのクライマックスに合わせて、愛子さまと同じ世界観を体験することができそうだ。(AERA dot.編集部・永井貴子)