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小型・軽量、高速AF対応レンズ
レンズ交換式のシリーズのXプレミアムシリーズの交換レンズではX-Pro1と同時に発売されたXF35㎜F1.4 Rに次いで2本目となる35mmレンズである。35mm判換算で53mm相当の画角になるから、正統派の標準レンズとなる。
XF35㎜F1.4Rは、超高性能レンズで人気も高いが、光学性能面をあまりにも重視したため、全群繰り出しを採用し、このためAF速度が犠牲になり、動作音もやや大きい。
一方、今回のレンズではインナーフォーカス方式を採用、しかも静粛、制御に長けたステッピングモーターを採用。最速で0.08秒という高速AF駆動を実現している。
明るさをF2に抑えたためであろう、小型・軽量化を達成し、しかもWR(防塵・防滴)仕様になり、マイナス10度での耐低温構造が採用されている。レンズフードも同梱のものに加え、X-Pro1の光学ファインダー使用時でもケラレがないようにスリットが入ったフードが別売で用意されている。
なお、F1.4との実売価格の差は約4500円なので、ついF1.4に手が伸びるところだが、高速AFが必要なら、このF2のほうがいい。

デザイン
ひょっとこのような先細りになっているデザインがユニークである。クラシカルな雰囲気だが、小型・軽量なのでどのXボディーでも相性はいい
使用感・操作感
AF動作に関してはスムーズかつ高速で合焦するので気持ちがいい。絞り環も採用されているので、Aモードで被写界深度を確かめながら撮影するのに便利
描写性
画角は平凡だけど、開放から完全実用の見事な描写性能だ。開放時のコントラストの高さで優れた画質を得ることができる。ボケ味にも配慮されておりF値を抑えたぶん、余裕が生まれた感もある
◆ 赤城耕一
* * *
●焦点距離・F値:35mm・F2●レンズ構成:6群9枚(非球面レンズ2枚)●最短撮影距離:35cm●最大撮影倍率:0.135倍●画角:44.2°●フィルター径:Φ43mm●大きさ・重さ:Φ60.0×45.9mm・170g●価格:オープン(実売4万8060円)
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