風柱・不死川実弥(手前)と蛇柱・伊黒小芭内。画像は「柱稽古編」キービジュアルポスターより。(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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 先週に多く読まれた記事の「見逃し配信」です。ぜひ御覧ください。(この記事は、「AERA dot.」で2024年5月5日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)

【写真】「上弦の鬼」のなかで最も悲しい過去を持つ鬼はこちら

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【※ネタバレ注意】以下の内容には、アニメ、既刊のコミックスのネタバレが一部含まれます。

『テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編 特別編集版』が5月4日、5日の夜7時から放送される。この後には、ファン待望のアニメ新シリーズ「柱稽古編」が12日の夜11時15分から放送開始予定だ。刀鍛冶の里の戦いまでは、鬼殺隊実力者である「柱」たちそれぞれの強さと独立性が示される場面が多かったが、実は、彼らは強い信頼関係によって結ばれている。とくに風柱・不死川実弥と蛇柱・伊黒小芭内の「仲の良さ」は端々の様子からうかがえる。どちらもクセが強そうな2人は、どのような経緯でお互いを認め合うようになったのか。「柱稽古編」放送スタートにさきがけて、実弥と伊黒の関係について考察する。

鬼への警戒に忙殺される「柱」

 鬼狩り集団・鬼殺隊では、鬼との戦闘の中で剣士が次々と死んでいく。鬼の強大なパワーに負けずに対抗できるのは、鬼殺隊の上位実力者である「柱」ぐらいだとされており、一般隊士だけでは対処できないような場面も頻繁に描かれている。

 鬼はまさに神出鬼没である。鬼の総領・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)の配下の鬼たちは、無惨の指示通り動く必要があるため、東京周辺から大きく離れたところには出没しないようだ。しかし、彼らは人間社会にまぎれこみ、いつ、どこに姿を見せて、人間を襲うのか予想できない。そのため、鬼殺隊は広大な範囲の警戒にあたらねばならなかった。

「柱稽古編」では、柱たちの日々の忙しさも語られることになる。多忙さゆえに、柱同士の交流もこれまで十分には行われてこなかった様子である。しかしそんな中でも、風柱・不死川実弥と蛇柱・伊黒小芭内は、気の合う雰囲気を見せるのだった。彼らはどういう経緯で互いに打ち解けあったのだろうか。

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植朗子

植朗子

伝承文学研究者。神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート学術研究員。1977年和歌山県生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科博士課程修了。博士(学術)。著書に『鬼滅夜話』(扶桑社)、『キャラクターたちの運命論』(平凡社新書)、共著に『はじまりが見える世界の神話』(創元社)など。

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「鬼の人間らしさ」を否定