「運動をすると筋繊維の損傷、筋肉での炎症反応、酸化ストレスの発生、筋肉痛が起こります。この段階でたんぱく質と糖質を摂取すると筋肉の成長が促進されます」(後藤教授)

 摂取するたんぱく質と糖質の割合は「1対3」がベターとされている。2018年発表の国際スポーツ栄養学会のレビューでは、運動後のたんぱく質の推奨摂取量は体重1キロあたり0.25~0.55グラム。平均的な体格であれば、1日の推奨量は約60グラム(年齢、性別、運動量で異なる)だ。それを1日3度の食事でまんべんなく取るよう心がけることが大切だという。

「1日の総摂取量が同じでも、1食でも推奨量を満たさなければ、筋肉量の増加に不十分であることが最新の研究で示されています」(後藤教授)

 とはいえ、約20グラムのたんぱく質は、手のひらの大きさと厚みに相当する大きさの肉や魚に含まれる。昼・夜はともかく、朝食で食べるのはなかなかハードな大きさだ。後藤教授は「基本は食事から」としつつ、

「十分量を取れないなら粉末状のプロテインやプロテインバー、たんぱく質量を高めた乳製品などを活用するのも手」

 とアドバイスする。(ライター・羽根田真智)

AERA 2024年5月13日号より抜粋

暮らしとモノ班 for promotion
防災対策グッズを備えてますか?Amazon スマイルSALEでお得に準備(9/4(水)まで)