「SHOCK」シリーズで国内ミュージカル単独主演記録を更新しつづけている堂本光一が、5月9日、ついに森光子さんが『放浪記』で打ち立てた記録を超え、国内演劇の単独主演単独1位となる2018回を達成した。
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2000年11月に当時21歳の堂本光一が帝国劇場史上最年少の座長を務めて以来、毎年上演されてきたこの前人未踏のエンターテインメント作品は、今年11月をもって終幕する。AERA 2024年5月13日号より。
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「21歳のときに帝国劇場で初めて『SHOCK』の幕を開けさせていただきました。帝国劇場が改修工事に入るということで、この作品はずっと帝劇とともに歩んできた作品ですので今年をもって幕を閉めるという決断をいたしました」
4月9日、「Endless SHOCK」の公開通し稽古を終えた後、堂本光一は改めてそう報告した。ラストイヤーに突入した「SHOCK」シリーズは4月22日の公演で2千回を達成。そして5月9日、ついに国内演劇における単独主演記録を塗り替え単独1位となった。
2020年、コロナ禍において堂本は感染リスクを減らすために新たなSHOCK作品「Eternal」を立ち上げた。本編のストーリーの3年後、カンパニーがコウイチとのエピソードを構想するスピンオフ的な内容だ。2024年は本編に加え、帝劇の前半戦は「Eternal」も上演。「SHOCK」シリーズは最後まで全力で走り続ける。
舞台はショービジネスの中心地であるニューヨーク・ブロードウェイ。頂点を目指し続ける若きエンターテイナー、コウイチ(堂本)とそのカンパニーが運命を駆け抜けるなかで、「Show Must Go On!」という言葉の意味を問い続ける。
4メートル以上の階段から転げ落ちる階段落ち、客席上空を舞う華麗なフライング、鬼気迫る殺陣、迫力満点の和太鼓の演奏といった名物シーンの数々。そして、カンパニーの絆、仲間との友情、不屈の精神、ピュアな恋心といった人間ドラマが凝縮されたストーリーを直接目にできるのもあと約7カ月。
後輩に見せてきた背中
エンタメに夢を託し続けるコウイチにはやはり長年エンタメを進化させ続けてきた堂本の姿が重なる。この24年間、堂本がエンターテイナーとして歩を進めれば進めるほど、コウイチが夢を追いかける姿が生き生きとし、説得力を帯びていった。
本編後半、コウイチはこう口にする。
「走りつづける背中を見せることが、みんなを繋げることだと思っていた。でも、みんながいたからこそ、走り続けることができた。おまえたちの夢はこれからだ」
ライバル役を演じた佐藤勝利を始め、多くの後輩たちに背中を見せ続けてきた堂本。「Show Must Go On!」が意味するものとは、自らが歩みを止めないことでもあり、後続にエンタメとは何たるかを継承することでもあるのだろう。
(ライター・小松香里)
※AERA 2024年5月13日号