大統領官邸でインドネシア特産のバチック(ジャワ更紗)に見入る美智子さまと皇太子さま(上皇さま)=1962年、ジャカルタ
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 長野・軽井沢での「テニスコートの恋」から、日本中が夢中になった1959年4月10日の世紀の結婚、そして平成の天皇への即位――。「平成」の終わりとともに、その重責を下ろした上皇さまと上皇后美智子さまは、現在は赤坂御用地に建つ仙洞御所で、穏やかな生活を送っている。

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 初の民間出身の皇太子妃となった美智子さま。その美しさに日本中が夢中になり、「恋」をした。

 世間では皇太子の明仁さま(上皇さま)が、美智子さまを熱心に口説いた、という印象が強かった。しかし、朝日新聞記者として、当時の「お妃選考」の取材を担当した故・佐伯晋さんによれば、上皇さまは最後まで、

「自分は、普通の結婚の幸せを保証してあげられない。皇太子という特別な立場にあって一番大事なのは公の義務であって私事はその次の問題である」

 そう言い続けたという。

「おそろしく生真面目で責任感の強い男性だと思うでしょう」と、佐伯さんは当時の懐かしみながら呟いた。そして、こう付け加えた。

「でも美智子さまは、かえってそんなところを好きになった。きっとそうですよ」

 おふたりの若き日々を、写真で振り返る。

(AERA dot.編集部・永井貴子)