そんな筧だが、業界にも筧のファンは多いようだ。前出のテレビ情報誌の編集者は言う。

「宮迫博之が筧と共演していたラジオ番組で話していましたが、滝藤賢一が筧の大ファンだとか。何でも、宮迫が滝藤と共演した際、グラマーな女性が好きという滝藤に筧の名前を出すと、『大好きなんですよ!』とテンションがアップ。しかも、筧の実家の天ぷら屋にも行ったことがあるそうです。そんな滝藤について筧も『会うたびに褒めてくれる』と同ラジオで明かしていました。また、ネット上では『高確率でかき乱す役なのが最高』『あざとい雰囲気で登場してくるのが良い』など、女優としての筧をたたえる声も見られます。嫌われ役は誤解されがちなので、人間ができている人しか演じられません。筧の場合、度胸や根性を持ち合わせているからこそ、覚悟を持ってイメージダウンに繋がりそうな役を引き受けることができるのでしょう。そんな人間性の魅力がさらに伝われば、より嫌われ役のオファーが増えるかもしれません」

 筧にインタビューしたことのある、ドラマウオッチャーの中村裕一氏は彼女の女優としての可能性についてこのように考察する。

「2年ほど前にインタビューした際、『今、芝居が一番やりたい。どこまでできるか試してみたい』と話していたのがとても印象的でした。同時に、ワークショップに通ったり、映画をたくさん見るなど彼女なりに努力を重ねているとも話してくれました。その結果が、昨年から今年にかけてのドラマや映画での活躍につながっているのだと思います。ついついグラマラスなそのスタイルにばかり目が行ってしまいますが、繊細な表情をみせる演技もうまく、もっといろいろな作品で芝居をする姿を見てみたいと思う人も多いのではないでしょうか。多くの視聴者や観客が彼女の演じるキャラクターに反感を抱くのも、それだけ彼女の演技がリアルだということ。このまま順調にキャリアを積み重ねて、ぜひ息の長い女優を目指してほしいですね」

 モデル活動と並行して女優業を続けてきた筧。たとえ嫌われ役でも、話題になるということは力がある証拠。筧にしか任せられない役柄を確立する日も近い?(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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