「何を着るのか、着ないのか、選ぶのは本来、個々人の自由のはずです。選択の自由を奪い、権力が入り込んでくる。そこに対して女性たちが抱く違和感は、時代とともに強まっていると思います」

 革命当時を知らない40歳未満はいまや人口のうち7割以上を占める。インターネットで常に世界と繫がり、SNSを通じて様々な情報に触れる。欧米のテレビ番組や映画、音楽はもちろん、最近では韓国の音楽K-POPも楽しむ。

 世代が変わり、信仰心の薄い若者の存在が珍しくなくなったことを思えば、社会の変革を求める声が高まるのは時間の問題だったのだ。ただ、不満があるからといって命の危険をさらしてまで抗議デモには参加したくない。だから、彼女は確信している。

 デモに参加している人たち以外に、目に見えないもっとたくさんの人びとが怒りや不満を持っているはずだ、と。

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