実りの秋ですね。
柿、栗、みかん、ブドウ……あちこちで色づいた実が収穫期を迎えていますが、東京・目黒区でもブドウが栽培されているのをご存知でしょうか?
普通のぶどう畑があるのではありません。地上約30mの高さでブドウが実っているのです。しかもそこは、なんと道路の上!
さらにすごいのは、そのブドウからワインをつくっていること。しかも、このワインが飲める日はたった1日だけ!
まもなく、目黒産ヌーヴォー、解禁です!

2014年の収穫祭でのオリジナルグラスとワイン「天空庭園」で乾杯!
2014年の収穫祭でのオリジナルグラスとワイン「天空庭園」で乾杯!

目黒区の道路の上とは?

いったいそれはどこにあるのかというと、東急田園都市線で渋谷から1駅目、池尻大橋駅から徒歩3分、桜で有名な目黒川のほとりです。
デ~ンと構えているのは、ずばり、首都高速道路の大橋ジャンクション!
外から見るとほぼコンクリートの塊という建物なのですが、その屋上にあるのが、ブドウを栽培している「目黒天空庭園」です。
エレベーターで屋上にあがると、天気のよい日は遠く富士山を望むことができるほど、見晴らしのよいループ状の公園&コミュニティースペースが広がっています。
車椅子やベビーカーでも通れるバリアフリーで、登録すればペットもお散歩できます。
2013年3月に開園した全国初のジャンクション屋上の公園として、マスコミにも取り上げられたので、ご存じの方も多いかもしれませんね。

大橋ジャンクション。緑が見える屋上に「目黒天空庭園」があります。
大橋ジャンクション。緑が見える屋上に「目黒天空庭園」があります。

都会のオアシスへ、ようこそ!

四季折々の樹木や花が植えられ、色鮮やかな花の芳しい香りや実のなる樹木などとのコントラストを楽しむことができるという、まさに都会のオアシス!
屋上という特殊空間の緑化に取り組み、ヒートアイランド現象の緩和や景観の向上などに大きな成果を上げたとして「グッドデザイン賞」や「国土交通大臣賞」を受賞しています。
ここではボランティア団体が数々の野菜とともに、赤ワイン用のぶどう、マスカット・ベーリーAという品種を育てています。
収穫は2015年で3年目を迎え、当初5.5kgだった収穫量は63.4kgにまでなりました。
とはいえ、この量だけでワインをつくることは難しく、収穫したブドウは山梨県勝沼町のワイナリーへ持ち込んで、勝沼産の同じマスカット・ベーリーAとあわせて醸造しています。
そのワインが出来上がるのはもうすぐ!
今年2015年は11月14日に「収穫祭」を行います。

天空庭園の一部。この棚にブドウが実ります
天空庭園の一部。この棚にブドウが実ります

「オーパス天空庭園収穫祭2015」11/14(土)開催!

当日は、天空庭園で栽培された野菜を中心に使った料理が楽しめる「エコベジレストラン」がオープン!
オリジナルのワイングラスで「天空庭園」という出来たてワインが飲めるのはこの日、この場所だけ。
生産数がとても少ないワインなので、ボトルでの販売ができません。
そんな貴重なヌーヴォーは、フレッシュな味わいがなかなか美味しいと評判で、楽しみにしている人も多いようです!
収穫祭では、その他、子どもたちにも人気の「スタンプラリー」、ワンちゃんのマナー・健康相談などができる「ドッグカフェ」があり、1階のオーパス夢ひろばでは「フットサル大会」も行われます。また、目黒区在住の俳優、金田賢一さんの講演会も開催予定。

ここで栽培されたハーブ類の料理やグッズも販売予定
ここで栽培されたハーブ類の料理やグッズも販売予定

挑戦し続ける目黒産ワインの夢

高所ゆえの強風や無農薬栽培による虫被害など、都会でブドウを育ててワインをつくる試みは珍しく、苦労の連続ですが、目黒産のブドウだけでつくるワインへの挑戦はこれからも続きます。
まだ発展途中ではありますが、気候のいい季節の収穫祭へ、ご家族やお友達と一緒にぜひいらしてみてはいかがでしょうか?