「水原容疑者は司法取引に応じて捜査に協力的とのことなので、犯罪の大きさに比べると刑罰はかなり軽くなるでしょう。懲役になるか、保護観察になるか。おそらく短めの懲役に保護観察がつく、というあたりかな。あとは僕の想像ですが、今後、プロのスポーツ協会から永久追放されるかもしれないですね」
ボブに言わせると、保釈金の2万5千ドルは安すぎる、という。
「パスポートを取り上げたけれど、逃亡することは不可能ではありません。特に陸の国境はお金を出してプロに頼めば越えることは可能ですから。
弁護士費用はどこから?
だが水原容疑者についた弁護士がそうやすやすと逃亡させるとは思えない。マイケル・フリードマンというカリフォルニア州では著名な刑事弁護士だ。
しかし、その費用はどこから出るのだろうか。
「僕もそのことは疑問に思ったのですが、これほど注目を集めている事件なので、名前を挙げるためにおそらくとても低い報酬で引き受けたのだと思います」(ボブ)
水原容疑者は、かつて日本の野球ファンから愛されていた名物通訳だったことを説明すると、ボブはこう答えた。
「ギャンブルの中毒性はとても強いもの。普段の本人の人格からはとても想像できないことを、やらかしてしまうものです」
水原容疑者には、裁判所から保釈の条件の一つとしてギャンブル依存症の治療に通うことが課された。一方、長年信頼してきた通訳であり相棒だった水原容疑者に裏切られ、思わぬ騒ぎに巻き込まれてしまった大谷選手だが、超然とした態度を貫き、いい成績を上げている。
「彼はもらった契約金に見合う活躍をしています。ドジャースは彼以外にもすごい選手がそろっていて、怖いチームです」
と締めくくったボブは、同じナショナルリーグに属するニューヨークメッツのファンだという。
「ドジャースがメッツと対戦するときは、さぞかし盛り上がることでしょう」
(現地ジャーナリスト・田村明子)