「およそ30分待ちです~」と、スタッフの呼び声がひびく行列の先には、360°映像の体験コーナーが設置されていた。このコーナーでは、5.5型の表示パネルを2枚使用し、2560×2880ピクセルの解像・120度の視野角をもつハンドヘルドディスプレーを用いて、没入感のある映像体験ができるというもの。映像のみならずヘッドホンからの音も臨場感を生み出す重要な要素となっている。

 回転椅子に座り、ヘッドホンをかけ、ディスプレーを覗きこむ。すると、突然目の前にフラメンコダンサーが現れてデモがスタート。手拍子や音楽が聞こえてくる方向を向くとそこには縁者が“居る”。前後左右、見渡す限りの高精細な映像世界が構築されていて、かなりの没入感を味わうことができた。この360°の映像は小型ムービーカメラ「iVIS mini X」を24台使用して制作したという。デモの映像ではさらにEOS 6Dを7台使って合成したという星空の映像も流れされた。

 撮った写真や動画を整理するのに、これまでPCが必要なことも多かったが、最近ではPCを使わずにストレージ機器と家電などとを連携させ、写真のシェアを通じたコミュニケーションツールとして利用する、といったことも増えてきている。こうした中、もう少し進んだ技術の提案がなされていた。それが“イメージングコミュニケーション”のセクション。ここで注目が集まっていた“Intelligent Imaging for Life”のコーナーでは、モノと写真・動画を関連付けする技術が紹介されていた。

 モノと写真をどう関連付けるのか、関連付けるとはいったいなにか。百聞は一見に如かず、詳しくはこちらの動画をどうぞ。

 そのほか、医療分野のセクションでは、マンモグラフィーの新システムが目を引いた。光学技術とセンシング技術、さらに画像処理技術を用いたというもので、光と超音波によって乳房内の血管を3次元で映像化(可視化)するのだという。これによってX線を使用せずに撮影できるため、X線に抵抗があって検査を受けずにいた人へ検査を受ける後押しになればという期待も込められているそうだ。現在、大学病院と共同で開発を進めており、精緻な映像化はすでに成功させ、その先の現場での実用性を検証中とのことだった。

※まだまだ紹介しきれない展示については、ギャラリーでも紹介しています。

※動画を追加しました。

8Kモニター(プロトタイプ)
8Kカメラと8Kモニターを使用した撮影システムのモニタリングのようす

これからの受け付けシステム
プロジェクターとセンシング技術を用いた新世代の受け付けシステムの実演デモ

質感を再現した新時代の立体印刷
立体印刷技術とキヤノンの質感取得・画像処理技術が融合した新時代の立体プリントの展示

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?