43歳で社長に就任明言した抱負が二つの決断を呼ぶ

 08年5月、持ち株会社ホテルオークラの社長に43歳で就任。上席役員8人を抜いた抜擢で、ジョン・F・ケネディが米国の大統領になったときと同じ年齢だ。でも、臆さない。明言した抱負は、こうだった。

「ホテルを支える経営上のインフラは、システム、従業員教育のプログラム、開発マニュアルの3本柱。世界に通じるように2、3年以内に整備し、完成させる。それを武器に、ラグジュアリー・ブランド・ホテルの道を歩んでいく」

 まだインバウンドの急増もみえず、東京五輪の姿もないときの自信。トップとしてやるべきことが『源流』に乗って、みえていたのだろう。2010年9月にJALホテルズ(現・オークラニッコーホテルマネジメント)へ資本参加し、子会社化した。海外でホテルを開発しようとすると、いつもぶつかった相手。競争が過ぎると、実現への条件が悪くなる。一緒にやったほうがいい、と判断した。

 そして、オークラ東京本館の建て替え。社長になって大きな決断を二つしたが、『源流』からの流れは、まだまだ続く。(ジャーナリスト・街風隆雄)

AERA 2024年4月15日号

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