1964年10月、東京・中野で生まれる。祖父と両親、兄2人の6人家族で育ち、地元の幼稚園へ入ったが、兄たちが通っていた千代田区の私立暁星学園に幼稚園ができて転園。暁星で、高校を出るまで過ごす。

 慶應大学商学部では、家庭教師のアルバイトで得た資金で、海外旅行を楽しむ。同好会のホテル研究会へ入っていた友人との30日間の旅行で、2夜だけ高級ホテルに泊まってみた。父が建設会社に勤め、長兄が一級建築士の資格を取ったので、小さいころから家の中に建築誌があって、触れていた。高級ホテルに泊まり、間取りに「みたこともない形だ」と関心を持ち、図に描いて残している。

 87年4月にホテルオークラへ入社。プラザ合意後の円高不況で就活は厳しかったが、高級ホテルの見取り図を描いたことを思い出し、何社か受けたホテルからオークラに決めた。1年目はコーヒーショップでウエーター、2年目は玄関のベルボーイで働き、3年目に資材部の用度課へいってホテルで使う食品やシャンプーなどを購入した。

 米国留学はホテル開発の知識を付けたかったためで、ニューヨーク州イサカにあり、ホテル経営学で知られたコーネル大の大学院を選ぶ。不動産ファイナンスを専攻し、ホテルのスペースの配置やマーケティングなどを学び、併設のビジネススクールで財務・会計などホテル開発で役立ちそうな講座も取った。

 修士課程を修めて93年夏に帰国し、冒頭で触れた事業部へいく。2000年初めに課長になって、BS改革に着手。持ち株会社制へ移行させて、意思決定も迅速化させた。

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