要望は伝えるべし うまくいけば儲けもの
あなたは自分の要望をはっきり伝えるタイプですか。それとも察してもらうのを待つタイプですか。
慎み深いのもひとつの美徳ですが、遠慮してばかりでは、あなたの思い通りの人生から遠回りすることになってしまいます。
私たちは、超能力者ではありませんので、相手がどんなことを考えているのかはわかりません。口に出していってあげないと、相手にも伝わりません。
たとえば、あなたが会社の給料に不満を持っているとしましょう。
「うちの会社、いつまでも給料が上がらないんですよ」
「『給料を上げてほしい』って、お願いしてみました?」
「いいえ、どうせムリでしょうから」
「一度もお願いしたことはないんですか?」
「はい、一度も」
「給料を上げてほしい」と会社に伝えなければ、どういう結果になるのでしょうか。
ごく普通に推論すれば、「給料を上げてもらえるわけがない」ということになります。昇給のお願いをしなければ、会社側(上司や社長)は、あなたは今の給料で何の不満もないのだな、と思うからです。
米国ヴァージニア州にあるジョージ・メイソン大学のミッシェル・マークスは、さまざまな業種の新入社員149名(それぞれの会社に3年以内に雇われた人たち)に給与交渉したかどうかを尋ねてみました。
会社と交渉したのは110人で、しなかったのは39人という内訳になりました。
調べてみると、給料が上がったのは、交渉した人だけ。交渉をしなかった39人の中で、昇給したのはゼロでした。まあ、当然の結果ですよね。
こちらから「給料を上げてください」とお願いせず、心の中で「給料上げてくれないかなあ?」と思っているだけでは、ほぼ確実に昇給はしてもらえないことを覚悟しておく必要があります。
人間関係でも同様のことがいえます。何か要望があるのなら、どんどんそれを伝えましょう。
うまくいけば儲けものですし、かりにうまくいかなくとも、現状と変わらないだけですので、どちらに転んでもこちらにデメリットはありません。いや、モヤモヤした気持ちがなくなることを考えれば、それだけでも十分にメリットがあると考えられます。