「『原は(巨人監督を)長くやり過ぎたから、次の監督が難しいなぁ』とこぼしていた。長期政権は諸刃の剣であり、次の人材が育たない危険性もある。巨人を対岸の火事とすることなく、次期監督を育てたいという思いがあるのだろう」(阪神担当記者)

 現首脳陣には二軍監督経験者の平田勝男ヘッドコーチと今岡真訪打撃コーチがいる(今岡コーチはロッテ時代に二軍監督を経験)。下の世代には早稲田大の後輩になる鳥谷敬氏や阪神の球団本部付スペシャルアシスタント(SA)を務める藤川球児氏などもおり、現役時代にチームの顔として活躍した“次期監督候補”が多いようにも感じる。

「日本一という結果も出て、自前の若手選手も伸びつつある今が大事。(岡田監督は)今後は『何らかの形でチームに関わりながら次期監督のアドバイザー的役割を果たしたい』と思っているのではないか」(阪神関係者)

「次期監督を平田ヘッドもしくは今岡コーチに任せ『阪神の野球』を作り上げる。その間に鳥谷氏や藤川氏を入閣させ監督としての帝王学を勉強させる。中長期的プランとしては理にかなっている」(阪神担当記者)

 鳥谷氏は「監督やコーチはやりたくない」と公言しているが、今春キャンプでも2年連続の臨時コーチを務めた。また藤川氏の理論的な野球解説は好評で監督待望論が強い。強い阪神を継続させるためにも、首脳陣についても未来を見据えた“育成”が必要なことを岡田監督も認識しているのは間違いない。

「岡田監督自身の問題もある。60代後半になり体力的にしんどそうなところを何度も見かける。安心して任せられる後継者を見つけ、交代したい気持ちもあるのではないか。大好きなゴルフを楽しみながらイチOBとして関わるのが理想だろう」(阪神関係者)

 岡田監督が阪神の指揮官復帰を決めたのは、阪急阪神ホールディングス代表取締役会長兼グループCEO・角和夫氏が直訴したからというのは有名。今年11月に67歳になる岡田監督は当初は就任に前向きではなかったというが、親会社総帥の頼みだけに引き受けた部分もあったという。

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