図1 都市総合力ランキングTOP10(森記念財団 都市戦略研究所リリースより)
図1 都市総合力ランキングTOP10(森記念財団 都市戦略研究所リリースより)
図2 40都市ランキング(森記念財団 都市戦略研究所リリースより)
図2 40都市ランキング(森記念財団 都市戦略研究所リリースより)
図3 分野別ランキング(森記念財団 都市戦略研究所リリースより)
図3 分野別ランキング(森記念財団 都市戦略研究所リリースより)
図4 アクター別ランキング(森記念財団 都市戦略研究所リリースより)
図4 アクター別ランキング(森記念財団 都市戦略研究所リリースより)

 森記念財団 都市戦略研究所はこのほど、世界の都市総合力ランキング「Global Power City Index-2015」を発表した。

 このランキングは、2008年から毎年世界の主要40都市を対象に、都市の総合力を6つの分野で評価して順位づけしているもの。2015年の総合ランキング1位はロンドン、2位ニューヨーク、3位がパリとなり、いずれも前年と同じ順位となった。

 東京は2008年以降8年間連続で4位の座を維持する結果となり、アジアで首位となっている。

 ただし5位シンガポールの評価が上がっているため、スコアが近づきつつある状況。ほかにも、6位ソウル、7位香港などアジア勢が後に控える結果となっている。

対象となった40都市のランキングは図2のとおり。

 分野別では、東京は「経済」の指標で1位、「研究・開発」で2位となった。その反面、「文化・交流」が5位、「交通・アクセス」が11位、「環境」面が13位など、上位3都市と比較すると低めの評価となっている分野も複数みられた。

分野別の上位10都市は図3のとおり。

 また、都市活動をけん引する5つのアクター(「経営者」「研究者」「アーティスト」「観光客」「生活者」)の視点による評価では、「観光客」視点で首位の評価を得たのはロンドン。次いで、パリ、ニューヨーク、イスタンブール、シンガポール、東京と続いた。このなかで、シンガポールは「一定水準以上の宿泊施設」「観光の対象の存在」「食事」といった面でスコアを伸ばし、前年の9位から5位に急上昇する結果となった。
 
 なお、東京の評価結果について研究所では、現在の東京は文化・交流や交通・アクセスなどが弱い状況にあるが、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が起爆剤となって都市力が加速度的に向上する余地があると分析。たとえば、都心部での開発や羽田空港発着枠拡大などが行われることで総合力が上昇、弱みが強みに転換する可能性を示唆している。