キャンパス沿いに多く咲いていたツバキ=3月20日、東京都豊島区・上田写す

愛子さまの思い出となったキャンパスは

 そんな大学生活の雰囲気を見てみたいと、目白キャンパスの周囲を歩いてみた。

 目白駅からすぐの「西門」の近くでは、ツバキの花が咲き、スマホで写真を撮っている卒業生らがいた。

 さらに歩くと、「学習院輔仁会馬術部」の門があった。1879年創部の伝統のある乗馬サークルだ。

学習院大の正門で記念撮影しようという卒業生らの行列=3月20日、東京都豊島区、上田写す

 目白通り沿いには「正門」があり、門柱にはレトロな篆書体文字で「学習院」「学習院大学」とあって歴史を感じさせる。その門柱の前で写真を撮ろうと、生徒と家族が長蛇の列をつくっており、この日の夕方まで列は切れ目なく続いた。

 正門には桜の木があり、まだ開花してなかったが、近くの商店主は「きれいな桜で、この辺でも見どころの一つ。学習院の校章も桜の形なんですよ」と教えてくれた。

 愛子さまがつづったように、キャンパス内のさまざまな「名所」があった。
 

 しかし、今回の卒業式にあたっては、宮内庁から報道各社に対し、大学内やその周辺で学習院の学生や保護者、学校関係者などへの取材を控えるよう要請があり、かなり気を使っての取材となった。

 皇族の「追っかけ」の一人は、こう話した。

「私たち『追っかけ』に対しても、上皇、上皇后陛下が天皇だった時代の方が開かれていました。今の天皇、皇后両陛下は『開かれた皇室』を標榜なさっていますが、もしかしたら宮内庁が厳しくしているのかもしれませんが、以前より閉ざされています。愛子さまのプライベートなことを話してほしくなかったのかもしれませんが、卒業式は一生に一度の記念日なんだから、もっと開かれた皇室を見せてほしかった」

 愛子さまの卒業を祝いたいと心から思うものの、その「遠さ」が感じられた日だった。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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