「以前はコアなファンが多い印象だったが最近は若者や家族連れも目立つ。関東のロード試合でもドアラのカチューシャをつけた女性も多くいる。全国的に中日ファンが増殖しているのは間違いない」(在京テレビ局スポーツ担当者)
観客動員数はリーグ連覇した2010年の219万3124人、11年の214万3963人と変わらない水準。チーム成績を踏まえれば考えられない数字だけに恐るべしだ。
「ドーム場内には『映えスポット』のような場所もなく野球を観るだけのような環境。それなのに若者や家族連れが足を運ぶようになったのは、チームの魅力による部分が多いのではないか」(読谷球場に訪れた中日ファン)
中日の強みであり注目を集める要因の1つは、数年先を見据えたドラフト戦略を継続したことより若手有望株が揃ってきていることだろう。加えてそういった若手の多くが地元・中部圏出身というのも大きく思える。
「投手では昨春WBCに出場した高橋宏斗(愛知県出身)や根尾昂(岐阜県出身)らがいる。野手もレギュラーに定着した岡林勇希(三重県出身)や4番候補の石川昂弥(愛知県出身)など粒揃い。他にも荒削りだが将来性豊富な選手が多く、目先の勝利を気にしなければ見ていて楽しいはず」(在京テレビ局スポーツ担当者)
また中堅やベテランにも実力者が揃っている。若手たちが奮起することで、暗黒期を何とか抜け出せるのではないかという期待感も球場に足を運ばせている理由のはずだ。
投手では左腕の小笠原慎之介と大野雄大、右腕の柳裕也、涌井秀章、メヒアとバランスの良い先発陣は球界屈指。ブルペンにも藤嶋健人、勝野昌慶、清水達也、松山晋也ら駒が揃い始め、絶対的クローザーのライデル・マルチネスが控えているのも大きい。
野手陣もベラランの大島は健在で、DeNAから加入して開花した細川成也がいる。また新戦力は中田以外にも、中島宏之、上林誠知らが加入。昨年からプレーする助っ人のカリステの内野守備も一級品で、4年目の三好大倫も“ブレイク”の兆しを見せている。
「ドラフト戦略、外国人補強を含め、編成部はしっかり仕事している。低迷が続いているため評価は低いが戦えるだけの戦力は揃った。上位進出の可能性は十二分にあることをファンはわかっているので、夢やロマンを感じているのではないか」(在京球団編成担当者)