愛子さまは学習院初等科2年生の終わりから2年ほど、学校生活に悩みを抱えていた。
雅子さまは愛子さまと一緒に登校し、昼食を一緒に食べた。ご両親が付き添えないときは、愛犬の由莉が学校まで一緒に歩いて行った。
愛子さまが学校での悩みを抱え始めた直後の春休み、ご一家は長野県の奥志賀高原に滞在し、スキーを楽しんだ。そこには、気分転換をさせてあげたいという親としての思いもあったのだろう。
夕方近くに、こんな場面があった。
皇太子さまは、上級向けのコースに向かった。愛子さまは、午前中に挑戦したコースがすこし難しかったようで、やや初級者コースのリフトを選んだ。
雅子さまはペアリフトに、愛子さまと一緒に乗り込んだ。リフトが動き出すと、隣に座る雅子さまは、「楽しみましょう」と言うようにポンと愛子さまの背中を軽くたたき、肩を包み込むように抱いた。
そこにあるのは、ごく普通の母娘の光景だった。
その後、愛子さまはバスケットボール部に入り、東宮御所の職員と休みの日にも練習するほど熱中。学校生活でも笑顔が増え、雅子さまが登校に付き添う光景も減った。中等科の一時期に急激にやせ、体調を崩したこともあったが、雅子さまは愛子さまと適度な距離を取りつつ、娘の成長を見守り続けた。
仲睦まじい親子でありつつも、公私のけじめを小さなころから愛子さまに教えている様子もうかがえる。
2011年、ドイツへの公式訪問から帰国した皇太子さまを、雅子さまは愛子さまとともに東宮御所で出迎えた。
「お出迎え」も立派な公務のひとつ。9歳の愛子さまは雅子さまの隣でで、「皇太子」である父に深くお辞儀をした。
その光景からは、東宮家の内親王としての立場や振る舞いをしっかりと愛子さまに伝えていることがわかる。