阪神は2リーグ制となって以降ここまで連覇はない。昨年は6度目のリーグ制覇となったが、過去5度の連覇への“挑戦”では、苦戦したシーズンも目立つ。

“闘将”星野仙一監督が率いた2003年にリーグ制覇を果たしたチームも、翌年に指揮官が岡田監督に代わるなどチームに変化はあった影響はあるとはいえ、Bクラスの4位に低迷。前年は2位の中日に14.5ゲーム差をつける圧倒的な強さを見せていただけに、悪い意味で予想を裏切る形となった。

 昨年も2位・広島に11.5ゲーム差をつけ、クライマックスシリーズのファイナルステージでも3連勝で日本シリーズへ勝ち進むなど2003年と同じく盤石の戦いぶりだった。

「阪神は勝ち慣れしていない選手ばかりだけに、昨年の日本一で燃え尽きたり調子に乗るのが怖い。岡田監督自身が最も心配している部分であり言動が厳しくなっているのはそのためだろう」(阪神担当記者)

 オープン戦での苦戦を予期していたかのように今季はキャンプから岡田監督の“苦言”が目立っていた。

 特に厳しかったのは抑え投手候補の湯浅京己に対して。2月11日の紅白戦後には「初球から球速ばっかり見とったもんな。だから、落ち着いて投げぇって。後ろは喜怒哀楽出したらアカンてなあ」と強烈なダメ出し。2月23日の巨人とのオープン戦後に二軍通告した際も「いろんな面でやり直さなアカンのちゃう」と怒りを露わにした。

 また今季から先発に挑戦している及川雅貴に関しても、3月3日の日本ハム戦(札幌)で3回5失点と乱れると即座に二軍行きを通告。「ギャップが大き過ぎる。コントロールも悪なる、球威もなくなる、そのへんはやっぱりクリアせんと、なかなか一軍ではな、長いイニングしんどいよな」と厳しい言葉を発した。

「湯浅は藤川球児氏のような絶対的存在になれると信じている。及川には左腕のエースになれるだけの球威があると考え先発転向させた。厳しく接したのは当人たちとともにチームを戒めるため。日本一になり今まで以上にチヤホヤされることで勘違いさせないようにするためだろう」(阪神OB)

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阪神特有の“心配要素”も?