大人も子どもも楽しめるコンサートを
長年、音楽の第一線で活躍してきた。
「いつか叶えたい夢は、大人と子どもがどちらも楽しめるコンサートツアーをすることです。客席で赤ちゃんが泣いてしまっても叫んでも大丈夫というような。もちろん子連れじゃなくても聴いていただけます。同級生はもうほとんどが結婚していて、よくコンサートに来てくれていた友達も、子どもが生まれると頻繁には来れなくなってしまって。幼い頃に観たコンサートは、かけがえのない宝物の思い出になります。今後は、もっとたくさんの子どもたちにも音楽を届けていきたいです」
昨年、デビュー20周年を迎えた。一人の人間として自分の人生をどう位置付け、ここから何を目指すのだろうか。
「音楽家として約20年間、私の青春のすべてを捧げてきました。19歳でデビューして、大学生活は、学業と仕事が中心で、友達とどこかに行くとか、そういったことはほとんどできなかった。たぶん、一番楽しい時期じゃないですか、大学生って。そう考えると、結構大事な一大イベントを逃してますね(笑)。
それでも、代わりに他の一大イベントを経験させていただいたなと思っています。音大と音楽活動の両立やチャリティーもそうですし、サッカーやラグビーなどでの国歌斉唱も、コンサートで全国を回るのも刺激的でしたし。本当に貴重な経験をさせていただいているなって。これからも、いろいろなことにチャレンジし続けたいですね」
音楽のこととなると、終始楽しそうに話していた平原さん。これまでの人生がいかに充実していたのか、その表情からうかがい知れた。しかし、まだまだやりたいことが尽きないという。今回、その情熱の一端に触れた気がした。
(AERA dot.編集部・唐澤俊介)