放送作家の鈴木おさむさん
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 鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、亡くなった漫画家の鳥山明さんについて。

【写真】若き日の鳥山明さん

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 僕が小学校2年のときだったと思う。親戚のお兄ちゃんから漫画『Dr.スランプ』のコミックを見せられた。「これ知ってるよね?」的な感じで。僕は知らなかった。だけど、ちょっと読んだだけでそのおもしろさに倒れそうになった。

 その時、すでにコミックが3巻まで出ていて、隣町の大きな本屋さんに行ったけど売り切れ。読みたくて読みたくて、数週間待って、ようやく手に入れて、涙するほど笑った。僕の記憶が正しければ、ガッチャンにソフトクリームの原液を飲ませて、ガッチャンにうんこさせてソフトクリームを作るというエピソードがあり、小学校2年の僕は失神しそうになった。

『Dr.スランプ』が終了し、ガッカリしていると

 強いキャラクターと予想を裏切るストーリー。なにより、その「絵」。

 初めて「うんちくん」を見たときには、キャラクターのかわいさと、「うんち」に「くん」づけさせてフレンドリーにしてしまう天才ぶりに脱糞しそうになった。

 どんなに下品な話でも、鳥山明先生の圧倒的な画力により、ポップにかわいくおもしろくなってしまう。『Dr.スランプ』を読みたくて読みたくて、少年ジャンプを毎週購入するようになってしまった。

 そこからずっとずっと鳥山明ワールドの虜だ。『Dr.スランプ』が終了し、ガッカリしていると、しばらくして始まった『ドラゴンボール』の面白さに圧倒された。バトル展開になってからも毎週興奮が止まらなかった。

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国をあげて功績をたたえるべき