米グーグルは9月29日(日本時間30日未明)、米サンフランシスコで、NEXUSシリーズの新製品「Nexus 5X」と「Nexus 6P」を発売すると発表した。携帯キャリアに縛られないSIMフリーモデルのみの販売。国内では、Googleの直販ストアを通じて予約を受け付けており、10月下旬に発送される見通しだ。
これらの機種には、最新のOS「Android 6.0 マシュマロ」を搭載した。充電やパソコンとのやりとりに使うコネクタに、「USB Type-C」と呼ばれる新しい規格を採用し、充電速度を向上させた。
一方、指紋認証にも対応。あらかじめ指紋を登録すれば、背面にあるセンサーに触れただけで、端末のロック解除や、アプリの購入ができる。また、カメラの性能も向上した。背面には約1230万画素のカメラを内蔵し、レンズの口径を大型化している。このおかげで、薄暗い環境でも多くの光を取り込み、鮮明な写真を撮影できる。
それぞれの機種を詳しくみていこう。「Nexus 5X」は、韓国LGが開発した5.2インチのスマートフォン。重さは136グラムで、容量が16GBと32GBという2つのモデルがある。色はカーボン・クオーツ・アイス。価格は税込みで5万9300円(16GB)と6万3400円(32GB)だ。
「Nexus 6P」は、中国のファーウェイが開発したスマートフォン。5.7インチのディスプレーを搭載し、重さは178グラム。カラーはアルミニウム・グラファイト・フロストで、内蔵容量に応じて3つのモデルがある。値段は、それぞれ税込みで7万4800円(32GB)、8万800円(64GB)、9万2800円(128GB)の予定だが、30日現在、128GBモデルは、日本国内で購入できない。
昨年発売した「Nexus 6」(32GB)は、が649ドルと、米国の販売価格の高さが批判を浴びた。これに対して、後継機種「Nexus 6P」(32GB)は499ドルで前機種に比べて150ドルも下がるなど、米グーグルは低価格路線に転換したようだ。
ただ、日本に住む人々はその恩恵にあずかれないようだ。日米の販売価格には大きな開きがあるからだ。たとえば、「Nexus 6P」(32GB)をみると、米国の販売価格は499ドル、日本円に換算すれば約5万9750円となる(30日時点)。しかし、日本の販売価格は7万4800円と米国に比べて1万5000円も高い。
これに対して、ネット上では早くも批判が相次いでいる。円安の影響で、米グーグルの低価格路線が日本の販売価格に反映できず、日本で買えば随分割高になってしまうのだ。ネットでは「これもアベノミクスの恩恵だ」などと皮肉交じりの意見も出ている。
やはり、いつものように日本人は高い製品を買わされる運命なのか。
(ライター・河嶌太郎)