食費は高額ですが、国内での生体の価格は1万円以下という話もあるそう(gettyimages)

生体購入費は1万円以下!?

 食費は高額ですが、国内での生体の値段は安く、「1万円以下」という驚きの話もあります。

 1950年ごろから、日本各地に動物園が作られるようになりました。当時、ライオンは人気が高かったので、動物園は高額でも購入していました。繁殖が容易であったため、その後飼育数が増えた結果、値段が暴落したというわけです。

高圧洗浄機は必須アイテム

 冒頭で述べた相性の可否判定をきちんと経て同居スタートとなっても、ケンカやいじめは避けられません。そういうときは、水をかけてケンカを止めるのが一番です。ここで高圧洗浄機の出番です。

 高圧洗浄機は、水を高圧で噴射して汚れを落とす機器ですが、実はライオン飼育でも大活躍しています。電動式やエンジン式、コードレス式などがあり、20万円ほどで高機能のものを持っておくとよさそうです。

 さすがの百獣の王も、水をかけられるのはとても嫌がります。この点、同じ大型ネコ科動物のトラが水を大好きなのとは対照的で、面白いですね。檻越しの水圧でライオンには傷をつけず、ケンカでケガを負う前に迅速に仲裁できるというわけです。

 これだけではなく、高圧洗浄機は、ライオン飼育の必須アイテムです。ライオンは1日3~5回ウンチをするし、においは強烈。高圧洗浄機はウンチの掃除にもとても役立ちます。

健康のためにオーダーメードの檻

 群れ飼育では、近親交配や過剰繁殖の防止などのため、去勢が必要です。睾丸を取る手術だと、性ホルモン減少によりタテガミがなくなってしまいます。パイプカット(精管を縛る避妊手術)ならタテガミが温存されますが、手術に10万円以上、麻酔に5~7万ほどかかります。

 とはいえ、最近は麻酔をなるべく使わないように工夫しています。ハズバンダリートレーニング(105ページ参照)をしたり、スクイズケージ(壁が動いて動物の動きを制御する檻)

を使ったりします。檻を製作する会社に聞いたところ「設置の費用や個体に合わせて製作するため、500万円から」とのこと。材料費の高騰もあり、さらに高額になりそうとのことですが、多くの動物園から好評です。買いましょう!

ライオンの高齢化問題にも対処

 若い時は群れのリーダーとして活躍していても、ひどく頑固になるなど、加齢により性格が変わってしまうことがあります。そうなると、ケンカなどのトラブルが増えることになります。

 老齢個体が穏やかな余生を過ごせるような、老ライオンホームがあればいいのですが。そこで、ライオンを愛するあなたが私財を投げ打って、獣舎の一角に隔離用の檻を造り、老ライオンホームを設けるのはどうでしょう。5000万円ほどあればできそうです。

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