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 3月8日の「国際女性デー」にあわせ、Z世代の女性向けエッセイ投稿サイト「かがみよかがみ(https://mirror.asahi.com/)」と「AERA dot.」が、コラボ企画を実施。「ニュースとわたし」をテーマに、女性限定でエッセイを募集しました。多くのエッセイの投稿をいただき、ありがとうございました。
 投稿作品の中から優秀作として5本のエッセイを選抜、「AERA dot.」で紹介します。記事の最後には、鎌田倫子編集長の講評も掲載しています。
 ぜひご覧ください!

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「保育園落ちた日本死ね!!!」

2016年2月に待機児童問題を批判したこの言葉が匿名のブログのタイトルだということは知らなくても、当時国会で取り上げられTVでも頻繁に話題になっていたことから聞いたことがある人は多いと思う。

それでは2024年2月。現在の保活事情はどうなっているのか。
 

◎          ◎

ネットで「待機児童」と検索すると、その数は5年連続で減少していることが分かる。しかも育休を延長するためにわざと倍率の高い保育園だけを希望して「落選」を狙う育休延長の不正利用者が増えており、それを正すための手続きを設けることを政府が検討している、というニュースまで目につく。

「なーんだ。保育園に入れず困っている人は減っていて、むしろルールを不正利用する人が増えてるんだ」

……本当にそうなんだろうか?

「保育園落ちた日本死ね!!!」の当時、私は新卒1年目。まだ結婚や子どもについてリアルに考えられなかった。

けれど現在妊娠8ヶ月。「自分ごと」として初めてこの問題に向き合っている今、「保育園落ちた日本死ね!!!」も「育休延長不正利用の是正措置検討」も本質は一緒で、子どもを育てている多くの人たちは今もまだ困っているのだと、身をもって痛感している。
 

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