
Q. 廣津留さんは大学受験の際、どんなポイントを重視して志望校を選びましたか。
A. 私の場合、かなりピンポイントで絞り込んだので参考になるかわかりませんが、いちばんは「学業とバイオリンを両立できること」でしたね。時間的な意味だけでなく、周りに同じような志のある仲間がいて、切磋琢磨できる環境かどうかが大事でした。
ハーバード大のほかには慶應義塾大学の総合政策学部も受験したのですが、ここも学部に縛られない学びができることや、学業以外にもいろいろなことに取り組む学生が多い印象でしたね。
もし可能なら、大学が開催しているキャンパスツアーなどに参加してみるのもおすすめです。大学がどんな場所にあり、どういう雰囲気なのかがよくわかると思います。私も最終的にハーバード大を受験する決め手になったのは、演奏旅行でアメリカへ行ったときに、母とキャンパスツアーに参加したことが大きいかな。
ハーバード大のキャンパスツアーはアポイントメント制で、私たちが行ったときは全部で3組ほどの親子が参加していました。前半はキャンパス内を巡り、後半は質疑応答。案内してくれるのは現役のハーバード大生です。ツアー中に何でも聞けるカジュアルな雰囲気でした。アテンド役の学生は事前にトレーニングを受けているので、奨学金の話など大学に関することもきちんと説明してくれます。
私も実際に見てみるまでは具体的なイメージができなかったので、ハーバードには超人みたいな人しかいなかったらどうしよう……なんて思いながらキャンパスツアーに参加したんです。でも行ってみたら、意外と普通の人たちだったので安心できたんですよね。アテンドしてくれた学生も、ハーバードのカレッジロゴが入ったパーカーに足元はビーチサンダルといった気さくな感じで、そんなに構えなくてもいいんだなとハードルが下がりました。もし、キャンパスで出会った学生たちが近寄りがたい雰囲気の超人ばかりだったら、受験しなかったかもしれないです(笑)。
構成/岩本恵美 衣装協力/BEAMS