高い学費を支払い、埼玉の自宅から2時間半かけて通っていたから、授業1コマ4千円ぐらいだと計算し、元を取ろうという思いもありました。人生と体力は有限なので。コスパは常に意識しています。受験しようと思った理由の一つは受験科目が少なかったこと。僕はAO入試(現・総合型選抜)で合格しましたが、一般入試さえ英語と小論文だけでもいい。英語は一生必要なもの。科目の少なさが「受験勉強は必要ありません」という大学側からのメッセージのように思えて、好感を持ちました。

 僕は、頑張ることは無意味だと思っています。それって無理している状態ですよね。一生続けるのはつらいし、入学できてもずっとつらい。だったら自分が努力しなくてもできる分野や興味を持てる学部を選んだほうがいい。大学もいろんな学部や入学方法があるから、自分に合うところを選べばいい。

 SFCは1990年にできて僕が入ったのは十数年経ったころだったけど、新しい学部や大学であるほど教職員も本気だと思います。会社もそうですが、スタートアップの時期にしかない熱気がある。いま自分が高校生だったら、新興学部、新興大学がいいなと思うでしょうね。

(構成/編集部・深澤友紀)

AERA 2021年5月17日号

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?