「魚々屋たかぎ」の料理人のネパール男性(撮影/上田耕司)

調理するのはネパール男性

 そして「インバウン丼」をつくっていたのは外国人、というのも驚きだった。調理場にいたのは、料理人として働くネパール人男性。今や大将の右腕だという。

「私は日本に来て12年になります。学生の時から飲食業界でバイトをしていて、すしの修行経験もあります。外国人はだいたいマグロが好きですね。ネパール人も好き。この会社に入ってずっと居酒屋で働いていたのですが、新しく海鮮丼のお店を出すというので自分からやりたいと言いました」

 インバウン丼は外国人狙いとばかりと思っていたが、むしろ日本人が消費しているという意外性。さらに、インバウン丼をつくる外国人もいるという不思議……。千客万来は、なかなか奥が深そうだ。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

著者プロフィールを見る
上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

上田耕司の記事一覧はこちら