インバウン丼を頼むのは日本人
そして、6980円という値段は適正価格だと胸を張る。
「うちは愛媛県の宇和島で養殖された本マグロを、冷凍ではなく、生で仕入れて使っています。それにかかる経費や人件費、場所代などもろもろ考えてもらえればわかると思いますが、完全に適正価格ですよ」
そう店頭で話している短時間のあいだにも、「本マグロのトロ三昧」(6600円)、「海鮮親子丼」(3600円)、「本マグロとぶりの紅白丼」(3600円)などが次々と売れていく。客は6対4で日本人の方が多い。必ずしも、外国人だけが食べているわけでもないようだ。
「外国人は中国人と欧米人が半々くらいですね。特に、中国人はお金を持っているなあという実感はあります」(店員)
かつてテレビの情報番組でも取材されたというのは、「魚々屋たかぎ」。ランチメニューで一番高額なメニューはウニ、カニ、マグロなどが乗った海鮮丼「極」(7800円)。今日だけで10食ほど売れたという。
「海外のお客さんよりも、観光バスで来る日本人の方が多いですね。丼ものは金額が上がるほど種類が増えたり、ネタのグレードが上がったりするので、外国のお客さんはやはり高額なものを好む傾向が強いですね。うちの会社はこれまで居酒屋をやっていて、こうした海鮮をメインにしたお店は初めて。ネタは、大将が独自のルートで仕入れています」(女性マネジャー)
記者が「7800円は高くて無理なので、もっと安くてお勧めのものを教えてください」と言うと、女性店員は海鮮丼の「梅」(2600円)を勧めてくれた。食べてみるとネタがぶ厚く、プリプリとしており、この値段でも十分にマグロを堪能できた。