
現在、ソロ活動に注力しているBTS。メンバーのJ-HOPEさん、JINさん、RMさんに続き、JIMINさんが3月24日、ソロアルバム「FACE」をリリースした。こうしたBTSのソロ活動をどう見るのか。K-POPの伝道師として活躍し、2013年のデビュー当時から今日までBTSを見つめてきた古家正亨さんが語る。AERA 2023年4月3日号から。
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長く活動していれば、どんなグループにも危機は来ますが、BTSはメンバーの仲がとてもよく、それを乗り越えてきた結束力の強さや、グループへの愛の大きさを感じます。
どんなグループでも自分を大切にする時間が必要です。いま、BTSはソロ活動を行っています。たとえば、Vさんには役者という顔があり、RMさんには言葉を紡ぐという才能があり、メンバーそれぞれがさまざまな表現の手段を持っています。
JIMINさんのソロアルバム「FACE」は、“一ボーカリストのJIMIN”としてどういう表現ができるかを突き詰めていると感じました。核はしっかりと持ちながら、新しい表情、声色を楽しませてくれる作品です。
彼とは「FACE」のリリースに合わせ、3年半ぶりに会うことができましたが、その際、とてもフレンドリーに「古家さんと出会った時は幼かったけど、こんなに大きくなりました」と言ってくれました。それは、「ビッグになったよ」という意味ではなく、「成長したよ」というシンプルな意味でした。その言葉を聞いて「ああ、変わらないな」と思ったんです。人間性の核みたいなものが、昔から変わらずあるのも魅力ですよね。

リーダーのRM、JIN、SUGA、J-HOPE、V、JUNG KOOK、そしてJIMIN。7人のうち誰が欠けても、BTSの奇跡的なバランスは保てないでしょう。
いま、それぞれが過ごす時間は、またグループとして集った時に昇華されるのだと思います。
「ポストBTS」はありません。BTSを超えてゆくのは、BTSしかいないのですから。
(構成/ライター・小松香里)
※AERA 2023年4月3日号より抜粋

