あのちゃん

若年層の視聴者を獲得したい

 それ以外にも、あのちゃんがテレビで引っ張りだこになっている背景を語るのは、前出のドラマ制作スタッフだ。

「あのちゃんは正直、視聴者の間でも好き嫌いがハッキリ分かれるタイプ。しかしSNSのフォロワーの多さもあり、アイコンとして若い視聴者からは絶大な支持を集めているので、若年層の視聴者を獲得したい昨今のテレビ業界で重宝されているのです。若い視聴者層を獲得し、将来の受信料確保に躍起になっているNHKが紅白に抜擢したのも同じような理由でしょう。破天荒なキャラクターで知られていますが、頭が良く『どこまで許されるか』といったテレビの枠組みもしっかりと理解しています。無難にこなさず、ギリギリの許容範囲でエッジを効かせるさじ加減も業界内では高く評価されています。こうした能力の高さも、自分にも他人にも厳しい粗品さんが一目置いている理由でしょう」

 芸能ジャーナリストの平田昇二氏はあのちゃんについてこう述べる。

「あのちゃんはアイドルグループ在籍時から、ビジュアルやファッションセンスの良さ、自己プロデュース能力の高さなどを生かしてSNSでひと際存在感を放っていました。そのルックスや独特なしゃべり方とは裏腹にライブなどでは客席にダイブしたり、シャウトするなど激しいパフォーマンスを披露。実生活でも破天荒なエピソードに事欠きません。芸能界で活躍する人気タレントの中には元いじめられっ子や不登校、引きこもりなど学生時代に周囲に溶け込めずに苦労した過去を持つ人も少なくないですが、過去の発言などを見ると、あのちゃんも人付き合いが苦手なタイプのようです。そんな逆境に負けず、個性や才能を武器に自分を信じて努力を重ねて成功し、派手な活躍を見せている姿に憧れを抱いたり、カリスマ性を感じたりするファンも多いのではないでしょうか」

 その捉えどころのない魅力で、今年も芸能界に旋風を巻き起こしそうだ。

(雛里美和)

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雛里美和

雛里美和

ライター。新宿・十二社生まれの氷河期世代。語学系出版社から邦ロックシーンを牽引するライブエージェント(イベンター)を経て、独立。教育からエンタメまで幅広い分野で活動する。

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