2020年3月、英連邦記念日 ウェストミンスターでの式典にて(写真/アフロ)

 婚約中の2018年2月、王立財団のフォーラムで兄夫妻とヘンリ―王子とメーガンさんが今後の慈善活動について話した。この時、メーガンさんは“無名の”キャサリン妃よりもはるかに経験があると自信を持っていた。テレビ番組「SUITS/スーツ」の撮影でカナダに住んだ時、慈善団体から派遣されてルワンダやインドを訪れたからだ。チャリティーについて「(妃に)1つや2つ、教えてあげよう」と意気込んでさえいた。

 しかし、メーガンさんの出番はなかった。培ってきた経験を披露できなかったのだ。

 彼女はヘンリー王子を促して歴史ある王立財団から離れ、自分たちだけのチャリティーを立ち上げた。

 当時、住まいはキャサリン妃の暮らすケンジントン宮殿のアパートの隣を提供されたが「狭い」と断り、ウィンザー城敷地内のフロッグモア・コテージに移った。キャサリン妃と協働するチャリティーから離れ、住まいも距離を取り、まもなく王室から離脱した。

結婚前と後での「違い」

 一方、繰り返しメーガンさんが攻撃しても、キャサリン妃の人気は落ちなかった。「メーガンは、キャサリン妃のスタイル、実家などすべてにライバル意識を持っているようだ」「信じられないほどの対抗心」などの声が上がっている。

 キャサリン妃は、2021年のフィリップ殿下の葬儀にヘンリー王子が渡英した際、兄弟の仲を取り持とうと試みた。また「いとこ同士は、将来を思えば仲が良い方がよい」として、アーチー王子(4)とリリベット王女(2)に誕生日プレゼントを贈った。しかし、何も実らなかった。

 かつて妃は、ヘンリー王子に「なぜ私たちを裏切ったの」と尋ねた。けれど王子から何の返事もなかったという。ヘンリー王子の結婚前と後とのあまりの違いに、妃は戸惑いと悲しみを隠せない。

(ジャーナリスト・多賀幹子)

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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