お笑いの世界に飛び込んで24年目になる

――子育てを経験していかがでしょうか。

 わが子を初めて抱いたとき、ピカピカ光っていて。自分で言うのもなんだけど、若いときは遊んできたんです。クラブ、海外旅行、ダイビング、カジノ……世の中の楽しいことを知り尽くしてきたつもりだったけど、42歳で子育てを知って、「こんな楽しいイベントを知らなかったのか。一番楽しいイベントだろ」ってビックリした(笑)。もちろん、大変なこともたくさんあります。お母さんたちはすごいです。赤ん坊のときは夜泣きでイラっとすることもある。でも、子どもの笑った顔を見たら疲れが吹き飛ぶ。「パパが仕事行くの嫌だ」ってしがみついてくれたりする姿を見ると普段イラっとしている自分が情けなくなる。もっと大きな器を持たないといけないと思わされる。子育てで育つのは親のほうだなとつくづく感じます。

「パパが僕の気持ちを分かってくれたのがうれしかった」

――「子育てで育つのは親のほう」は、深い言葉ですね。

 後で振り返って失敗したなと反省することもあります。長男は優しくて慎重な性格なのですが、保育園で友達に顔をたたかれることが続いて。親からすればイジメられてないか不安になるじゃないですか。「やられたらやり返せよ」と伝えたら、ある日、保育園から呼び出されて。たたいてきた友達の頬を長男がたたき返したら傷ができてしまった。先生が「ダメだよ」って息子を注意したら、「〇〇くんにはやり返していいってパパに言われた」と答えたんです。息子からしてみれば親の言うことを素直に聞いた行動です。「やられたらやり返せ」って簡単に言うものじゃないし、言葉のチョイスに気をつけなければいけなかった。一緒に風呂に入ったときに、「たたかれたら痛いでしょ。だからこれから、友達をたたくのはやめようか。パパがそう言ったのが悪かった。おまえは悪くないよ」って伝えたんです。後で妻に聞いたら、長男が「パパが僕の気持ちを分かってくれたのがうれしかった」と言っていたと。どう伝えるのが正解か難しいのですが、それを考えることも親子で成長するために大事な経験だと思います」

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