この年末年始の中森明菜の活動は、本格的な活動再開の兆しなのだろうか?  三杉氏はこう分析する。

「22年8月に新しい個人事務所を立ち上げたときから、歌手活動再開の話が上がっていました。しかし、その当時、関係者の話では“人前で歌うのはなかなか厳しいのではないか”という声もありました。

 厳しいというのは、彼女は完璧主義なところがあり、自分のダメなところを見せたくないという気持ちが強いのでは、ということから」

完璧主義な中森明菜の姿の瞬間

 三杉氏が、中森明菜の完璧主義を垣間見た瞬間がある。

「2010年、『ときめきパチンコ CR中森明菜 歌姫伝説 恋も二度目なら』のプレス発表記者会見が、私が中森明菜を公式の場で見た最後でした。

 パチンコ台の中でヒット曲を歌い踊る独自のキャラクター『ちび菜』に対して、『こんなにかわいく描いてもらって…私じゃなくても幸せでしょうね』と、うれしそうに話す一方で、『このころは皆さんに喜びを与えられていたのに』のような自虐的な言葉もあった。

 そのときに、自分自身の過去と現在の状況を冷静に見つめる視点を持ち、『完璧でありたい』という意識が強い人なんだと強く思いました」

 では、“完璧な活動再開”まで道のりは遠いのだろうか。

「やはりアーティストですから、自分を完璧に表現するために、いい意味でも悪い意味でも周囲を振り回すこともあるでしょう。完璧を追求していくのであれば、なかなか大変だとは思います。

 ただ、個人事務所の立ち上げから1年半くらいは経過しているので、年末年始の様子からは、徐々に動きだしたという印象は受けます。

 歌手活動再開が騒がれてから1年半もの間、折に触れてずっと話題になるというのは、待ちわびているファンも多いからでしょうし、『中森明菜 復帰』の“旬”が長いですよね。

 復帰の旬が長いとは、観測気球みたいに思われるかもしれないけれども、世間をあおっているわけではなく、中森明菜は本当に準備を整えているんだと思うんです。それは彼女らしいなとも思います」

 2日の特番では、「2024年もどうか、応援というか横目でいいので、見守ってください」と、これまた明菜っぽく締めている。

 アツい気持ちで、ただしちょっとだけ横目で待ちわびながら、歌姫の復帰を待つことにしよう。(AERAdot.編集部・太田裕子)