活動休止を経て、自分自身の現在地について語った水上恒司さん(撮影/写真映像部・和仁貢介)・
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 朝ドラブギウギ」もいよいよ20週を迎える。さまざまな俳優たちが出演、ドラマを盛り上げてきた。(この記事は「AERA dot.」が1月29日に配信した記事を再編集したものです。肩書年齢等は当時)

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 2020年に20歳で「AERA」の表紙を飾ってから、約4年ぶりのインタビューだった。眼差しも、話し方も、随分と大人びた。そう伝えると、「成長しましたか?」と返してくれる人懐っこさは変わらない。

やるべきことは全うしてきた

 本人にとっては変化の大きな4年だっただろう。

“岡田健史”は、新進気鋭の注目俳優だった。22年8月に所属事務所を退所。1年近くの活動休止期間を経て、本名の「水上恒司」としての活動をスタートした。

「(改名)当初は『水上で大丈夫かな』という不安はもちろんあったんですけれど、今はほとんどないです。自分の努力もありますが、まわりの仲間の尽力や、期待していただけることもあって、今、やるべきことがたくさんある。その一つ一つと向き合い続けるうちに、改名についてはあまり考えなくなりました。

 水上になってから僕を知った、という人も増えてきているので、この1年間、僕としては、やるべきことは全うできているのかなと思います」

 名前を変えての再スタートに、支えになったものを聞くと、「究極は自分がどうしたいか、ですよね」と話した。

芸能界とは距離感を持っていたい

「自分を守る最大の味方は、自分しかいないと思っています。

『こういう方法もあるよ』と助言して支えてくださる、人生経験豊富な方がまわりにはいるので、感謝しかないです。でも、最終的には『自分がどうしていきたいか』。それがないと、支えようにも支えられないですよね。志はしっかり持っていたいと思っています」

 4年前、「俳優の快感を知った者は俳優をやめることはできない」という、ある俳優の言葉を引用して芝居への情熱を語ってくれた。今も芝居へのやりがいを感じつつ、芸能界との関わり方については「少し考えが変わった」と明かす。

「今はいつでも芸能界を引退できるようにしたい、と思っています。役者……、というか芸能界とは、それくらいの距離感を持っていたいと思っているんです。

 やりがいを感じている職業ではあるんですが、この先、役者をずっと続けている自分はあまり想像がつかない。

 2020年当時は、ある種“若さ”でここに立っていた時期だったと思うんです。それは当時の全力だったろうし、間違ったことは言っていない。でも、今はさまざまな経験をしてここに立っているからこそ、少し違う考えを持っています」

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過渡期に芸能界に入った