ダンディ坂野さん(撮影/写真映像部・佐藤創紀)

 2000年代、「ゲッツ!」のフレーズで一世を風靡したお笑い芸人のダンディ坂野さん(57)。【前編】では、ブレーク当時の裏話やテレビから“消えた”時代、今は“氷河期”の真っただ中だという「一発屋芸人」の特殊事情などについて語ってもらった。【後編】では、CMが途切れない理由、あまり知られていない家庭生活や子育てについて聞いた。

【写真】女子アナと結婚した「一発屋芸人」はこの人

※【前編】<一発屋の星だった「ダンディ坂野」が“今は氷河期”と話す理由 「ブームはここ10年で終わりました」>より続く

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 バラエティー番組で見る機会は減り、世間では「消えた」とまで言われていたダンディさんだが、その間もCMのオファーは絶えることがなかった。現在でも十数本のCMに出演しており、クライアント受けはすこぶる良いようだ。ブレークのきっかけを作ったのも、CMだった。

「初めて出演したCMが、マツモトキヨシさんのものだったんです。マツモトキヨシさんの色だから、それまでと違った黄色のスーツを着ました。それがトレードマークになったので、何が起きるかわからないですよね。広告からブレークするっていう珍しいお笑い芸人だなって思います」

 なぜこんなにもCMオファーが途絶えないのか。その理由を尋ねると、「正直、わからないです」と笑いながらこう話す。

「記事のコメントとか見てると、『人柄がいいから』とか『真面目だから』とかって書いてあるんですけど、そんなことはなくて……。人柄も性格も普通なんですよ(笑)。ただ、『ゲッツ!』って短くてキャッチーだし、何かをゲットするとか前向きな感じですよね。そこが良かったのかもなって思います。ネガティブなフレーズだとCMでは使いづらいですよね。『春の〇〇キャンペーン実施中! チクショー!!』とか(笑)」

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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