僕は美容院とかお店に行くとすぐ仲良くなることが多いんですが、そのジムのインストラクターの壁だけは打ち破れなかった。それが寂しかったんですよね。一緒にしたら申し訳ないかもしれませんが、このお悩みにもそんなシンパシーを感じてしまいました。
じゃあどうするのか。ボタンの掛け違いから、わかり合えないと決めつけて、ギスギスしたままにするのは寂しいなと僕は思ってしまいました。
僕がどうしたかというと、とにかく「普通の人」でいようと意識しました。わからないことがあったら聞いて、何かしてもらったらありがとうと言って、相手が困っていたら「どうされたんですか」と聞く。人間って欲があるから「もっと感謝してほしい」「自分の苦労に気づいてほしい」という気持ちが出てきてしまうんだけど、それは相手に求めちゃいけないと自戒をして、封印する。お店側にいちばん好かれるお客さんって、そういう完全体の普通の人だと思うんです。
さそり座は頼りがいがある人たちですが、だからこそ「頼られなかった」時に寂しさのオーラが出てしまうことがあるような気がします。しかも本人が思っている15倍ぐらいの濃縮度で出ちゃう。
相手の側に踏み込まない関係性を普通にやることは、わりと奥義になります。
※AERA 2024年2月12日号