ドラマ「春になったら」で初のホームドラマに挑戦している深澤辰哉。新しい自分を見つけられるようで嬉しいと語るが、その先にはもっと大きなものを見据えている。AERA 2024年2月12日号より。
【写真】蜷川実花が撮った!AERAの表紙を飾った深澤辰哉さんはこちら
* * *
――放送中のドラマ「春になったら」は3カ月後に結婚する娘・椎名瞳(奈緒)と、3カ月後にこの世を去る父・雅彦(木梨憲武)の父娘が「結婚までにやりたいことリスト」と「死ぬまでにやりたいことリスト」を実現していく、笑って泣けるホームドラマだ。深澤は瞳の友人、岸圭吾を演じる。
気づいたら自分の番に
深澤辰哉(以下、深澤):僕、ホームドラマに出演するのが初めてなんです。ナチュラルな日常会話を重ねていくようなお芝居もやったことがなくて。今回のような役は、個人的に一番演じるのが難しいジャンルですね。しかも、役作りをすればするだけ岸くんから遠ざかってしまうというか……これまでは2週間前からセリフを覚え始めて、「アドリブもここで入れちゃおう」みたいなことも一人で考えてから現場に行くような感じでやってきたんです。でも今回それをやってしまうと「ただ、決められたことを喋ってる人」みたいに見えちゃう。クランクインの日は、ちょっと作り込んで行っちゃってたんですけどね。一緒にお芝居をする奈緒さんや木梨さん、見上(愛)さんがあまりにも自然なお芝居をされるからびっくりして。もちろん皆さんセリフを喋ってるんだけど、セリフじゃなくて本当に会話をしている感じで進んでいくから、気づいたら僕の番になっていたくらい。だからそれ以降は、その場の空気感を楽しもう、みんなの中にナチュラルに岸くんが入れるような立ち振る舞いをしたいな、というのを心がけています。撮影すればするだけ勉強になっていますね。
――岸は瞳の大学時代からの友人で、同級生の大里美奈子(見上)を含む仲良し3人組の一人。長年、瞳に片思いをしているが、瞳に婚約者ができてしまい、複雑な思いを抱えている人物だ。
深澤:岸くんは3人の関係を崩したくないから瞳さんに気持ちを伝えられなかった。僕がもし同じ立場になっても、きっとそうなっちゃうんだろうな、という気はしていて。まぁ、もともと自分から告白するタイプではないんですけどね。そういう意味で、岸くんと自分は似ているところが結構ありますね。