AERA 2024年2月12日号

人の気持ちに敏感

 でも岸くんは瞳さんから結婚式の司会を頼まれたときも断れないんです。俺、そこは無理! 自分の好きな人の結婚式の司会ってなかなかですよ。そこはちょっと優しすぎじゃないかなと思いますけど……。

――岸は岸で美奈子から思いを寄せられていることに気づかない、一方通行の関係性もある。

深澤:そこも俺と違うところですね。人の気持ちには敏感な方だと思うので。敏感というか、基本的に人をよく観察してるし、コミュニケーションすることが好きなので「あ、なんかいつもと違うな」とかは気づきやすい方です。「髪、切った?」とかもすぐわかります。そこがモテる要因なんですよね……まぁ、高校生の頃の話ですけど(笑)。今はもう、恋愛系の「密かな好意」みたいなものには気づけないかもしれない。

 岸くんには優しさと儚さがあって。瞳に婚約者が現れてからは「なんで言えなかったんだろう」という後悔と葛藤で、ずっと心に複雑なものを抱えているので、そういうモヤモヤも伝わるように演じられたらいいなと思っています。

目標は「4期連続出演」

――本人は謙遜するが、岸は十分ドラマの世界観に溶け込んで見えるし、前クールに出演したドラマ「今日からヒットマン」ではお調子者だが憎めないキャラクターを、実にチャーミングに演じてみせた。演じることの手応えはどう感じているのか。

深澤:手応えというのは……うーん、正直、自分では分からないんですけど。でも2クール連続でお芝居をさせていただいたことで、お芝居に触れる期間が今までになく長かった。周りの演者さんたちの雰囲気もそれぞれドラマによって違って「こういうお芝居の仕方もあるんだ」「あ、こういうやり方もあるのか」と学んで、お芝居に対する興味と意欲がどんどん湧いてきているここ数カ月です。目標は4期連続ドラマ出演!(笑)

 僕のお芝居の根本は舞台で学んだと思う。舞台はちょっとオーバーにやりますけど、それを基準にして「今日からヒットマン」だったら、もうちょっとキャラを作って、どこまで振り切れるか挑戦したり、今回のドラマだったらどう削ぎ落としていくかを考えたり。真逆のアプローチだけど、どっちも面白くてやりがいがありますね。

(構成/ライター・大道絵里子)

AERA 2024年2月12日号より抜粋

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